シモン茶・シモン葉と骨粗しょう症(骨粗鬆症)
シモン葉には、骨の形成に重要な役割を果たすカルシウムやビタミンKを豊富に含んでいる上に、カルシウムの吸収を阻害するといわれるシュウ酸の含有量が少ないようです。
そのため、骨粗鬆症に対して、病態生理上も有効性が期待されていました。
陳瑞東氏は、シモンエキス入りカプセルを使ったヒト臨床試験を行っています。
被験者は骨塩減少症に陥った閉経後の婦人(平均年齢56.9歳)で2群に分けられ、一方はシモン葉脂溶性エキス含有カプセルを5カプセル(ビタミンK:1.0mg)/日を、もう一方はプラセボカプセル(シモンエキスなし)を5カプセル/日をそれぞれ6ヶ月間摂取してもらいました。投与開始から3ヶ月目と6ヶ月目に腰椎骨密度と血清カルシウム濃度を測定しました。下記はその結果です。
シモン葉脂溶性エキスの入っていないプラセボカプセルを摂取した被験者の腰椎骨密度は閉経後骨塩減少症のために減少の一歩をたどっています。
一方、シモン葉脂溶性エキス含有カプセルを摂取した被験者の腰椎骨密度はプラセボ被験者に対し約3%程度の増加を示しました。
(陳 瑞東:閉経後のビタミンK濃度の変化と閉経後骨塩減少症に対するビタミンK1補充食品(シモン葉抽出食品)の介入効果.第3回 Vitamin K&Bone研究会(平成11年)にて発表、日本産科婦人科学会雑誌(0300-9165)51巻臨増 PageS614(1999.02))
この臨床試験の研究デザインに関しては、ランダム化比較試験かどうかに関しては確認できていません(後日確認予定です)が、シモン葉のビタミンKを1mg含むサプリメントが6か月という短期間で、本来横ばい〜減少するはずの腰椎骨密度を増加させたという研究結果は、驚くべき内容です。
エーザイの医薬品に高用量のビタミンKからなるメナテトレノン(製品名:グラケー)という骨粗鬆症薬があります。この薬を使用して合計4,000症例を対象に骨折予防効果やQOLの改善を指標とした日本初となる薬剤疫学的手法を用いた大規模臨床試験が行われています。本試験は「OF(Osteoporosis Fracture) Study」と略称され、その概要は、カルシウム製剤単独投与群(以下、カルシウム単独群)と、カルシウムとメナテトレノン併用群(以下、メナテトレノン併用群)の2群に分けて36ヵ月間服用し、その後12ヵ月間の追跡観察を行い、椎体骨折の新規発現などを評価することを目的としたものです。この研究結果が2005年2月エーザイからニュースリリースされました(詳しくはこちら)。
この結果は、第1のエンドポイントである椎体骨折の新規発現抑制効果については、カルシウム単独群とメナテトレノン併用群の間に差は認められませんでした。椎体骨折の新規発現に関するサブグループ解析では、「椎体骨折5個以上」を有する進行した症例において骨折発現が減少しました。しかし、この結果があくまでサブグループ解析であることを忘れてはなりません。この結果の解釈は注意深くする必要がありますが、メナテトレノンが椎体骨折の新規発現抑制効果について効果がないと切り捨てる意見と、すでに椎体骨折が5個以上あるようなハイリスクの方には新規骨折発現が予防できる可能性があると新たな可能性を示唆する意見とがあります。
メナテトレノンの臨床試験とシモン葉の臨床試験には目的・規模・研究デザインなどいろいろな違いがあると思われますが、シモン葉にはビタミンK以外にカルシウムや様々なミネラル・ビタミンが含まれていることを考えると、陳瑞東氏の研究をさらに大規模ランダム化比較試験で、骨折をエンドポイントにした研究がなされることが期待されます。
|